一昨日、企画展「白と黒で」終わりました。今までと違ったアプローチ方法で、大丈夫かな?と会期前は不安もありましたが、蓋を開けてみると今回クリエーターの方がいつになく多くいらっしゃり、Watermarkの新しいひとつの方向が見えた気がしています。
中村眞弥子さんの作品
みるめさんに伺う時、いつも見るのを楽しみにしている、向いのお宅の庭に植わっている巨大サボテン。鬼面角サボテンだと思うのですが、その高さは2階建ての建物をゆうに超え、10メートルくらい。お話によると、すでに亡くなられたおじいちゃまがサボテンをこよなく愛し、いつのまにか植木鉢の底を突き抜け、地面に根を張り、そのままどんどん上へ上へと成長したとのこと。1階の屋根の高さくらいまでは、さるすべりの幹のように茶色ですべすべしています。コンクリの間の狭い土からあんなに元気に伸びている姿を見るたび、「すごいなあ」と思わずにいられません。
ところが都市計画により、道路の大幅拡張が始まり、サボテンのお宅を含む沿道沿いの立ち退きが始まり(みるめさんは含まれませんが)、サボテンの家主さんもすでに先月お引越しされ、サボテンとお住まいだけが残されていました。なので、切られてしまう前にもう一度見なくては!と思っていたところ、なんとサボテンから10数以上の莟が出ているではありませんか。
いつくかは既に花を咲かせた様子。
お話によると、何年もの間、花を咲かせたことはなかったそう。
植物には意志があるとか、植物にも意思を伝えるコミュニケーション能力が備わっているとか、植物に話しかけたり、モーツアルトを聞かせると元気になるとか、どちらかと言えば、あまり信じていない方です。
でも昨日はそんな植物の意志を信じてしまう光景に出会ってしまいました。
何十年も育ててくれた家主はもうここには居ないのに気付き、自分の運命を予感しつつ、最後に自分の意志で花を咲かせたようにしか思えません。
調布の名物巨大サボテンが無くなってしまう。寂しくて仕方ありません。